心の琴線に触れる音色(ニコラ・デルタイユ チェロリサイタル)
9月というのに今日もなんという暑さ!
通常なら家にこもって省力モードになりそうな管理人ですが、今日はすばらしいチェリストと若きアーティストを迎え、心ときめく時間を過ごしました!
繊細な指先から紡がれる、可憐な音色から力強い響きまで自在のテクニックと詩情。オープニングのバッハ組曲第1番ト長調BWV1007 から、おいでになった皆さんはすっかり心奪われてしまった様子。
その後、「愛の挨拶」、「夢のあとに」、「美しいロスマリン」と、チェロの好きな人にとってはこたえられないラインナップが続きます。しかも、予想していたよりはるかに素晴らしい演奏で!
藤本さんのソロ(リスト 三つの演奏会用練習曲より第3番 〝ため息")で、また音の彩のバリエーションは豊かになっていき、
つぎはお待ちかね、サン・サーンス「白鳥」。
ポピュラーなこの曲を、こんなにロマンチックに、でも美しい節度をもって、奏でてくれるなんて。
至福のときでした。
最後には、特別参加のフルート(神田望美さん)、ピアノ(長浜恵子さん)が加わり、ピエルネの「室内ソナタ」を聞かせてくださいました。
アンコールは再びチェロとピアノに戻って、バッハの「G線上のアリア」。美しかったです!
素晴らしい演奏に加え、チャーミングな容姿と、温かさがにじみ出るステージマナーで、お客さんの心をがっちりつかんだデルタイユさん。
終演後、CDが売れること。売り上げで、ベルギーで待つお子さん2人のためのおみやげを買うんだ、と、とことん可愛いのでした。
終演後の語らいは楽しく、ワインは美味しく、しかも傍らではゲネプロをするトリオの演奏が聞こえてきます。
暑さで疲れた心と体、すっかり回復。
会場をあとにするみなさんの、心からリフレッシュした笑顔がとても印象的でした。

2nd stage